今回は現在開催中のWorld Championship2015(以下WCS)のGroup Stage 第一戦のvs AHQ戦について書きたいと思います。
選手紹介は時間が出来たときにゆっくりと書いて行きます。
さて、そもそもなんでSummer splitで不調だったチームがWCSに出場出来ているか。
夏の間は不調だったのですが、春に稼いでいたポイントでWCSへの出場をかけたトーナメントへ参戦する機会を得ました。そしてそのトーナメントを怒濤の勢いで駆け上がりWCSへの切符を手にします。その模様は既に素晴らしい記事を書いて居られる方がいらっしゃいますのでその方の記事を見ていただくとよくわかると思います。3部構成ですがPart 1のリンクのみ貼らせていただきます。
リンク
↓
C9がNA LCS Summer Regionalsで起こした奇跡
(ご本人の許可を得てリンクを繋いでいます。)
次に今回のWCSの仕組みを簡単に。
WCSはGroup StageとKnockout Stageに別れています。Group StageにてそれぞれのGroupで1位と2位となったチームがKnockout Stageへ進むことができます。Knockout Stageに関してはまたその時にお話しします。
Group Stageは各チームBO1を二回ずつ戦う総当たり戦となっていて勝ち数が多い上位2チームが次のステージに進みます。
Cloud9の居るGroup Bには
Fnatic…EU No.1 チーム
Invictus Gaming…中国LPLのNo.3チーム
ahq e-Sports Club…台湾No.1チーム
Cloud9…NA No.3 チーム
(No.は分かりやすくするためつけたもので今回のWCSにおける出場枠をもって順位付けしたものでSplit自体での順位とは関係ありません。)
そんなGroup Stage、C9の第一戦は台湾のAHQとの戦いとなりました。
AHQは上でも述べたよう台湾のNo1チームで、MSIという春シーズン後の各リーグのNo1チームを決める大会にも出場し3-4位という結果を残しています。
チームの特徴としてはMidのWestdoorを軸として戦うチームでチームWestdoorといっても過言ではないかもしれません。
まず、B/Pを見ていきましょう。
動画はYouTubeのLOL Esports TVさんのものを埋め込みで使用させて頂きます。
動画7:00~(動画の時間指定しています。スマホの方は再生ボタンでなく動画タイトルをクリックしてアプリからご視聴ください。再生ボタンをクリックしてのスマホの動画再生機能からだと時間指定が作動しません。)
BANはそれぞれ
C9 AHQ
B1 Ryze Azir
B2 Elise Morde
B3 Rek'sai Lulu
となりました。
C9側は強力なGankとMapコントロール力をもつRek'sai、高いタワーダイブ力とスタンが当たればGankを確実に決められるEliseのJG2体とRyzeをBAN。Ryzeは対象指定CCを嫌ってでしょうか(Veigarのカウンターとなることも大きな要因でしょう)。
一方でAHQ側はAzir Luluという集団戦に強いMID2体、そしてOPなMordeをBANしました。
絶対BANのGPはC9が1st Pickで取り、使うためにオープン。
Kalista、Dariusなどは恐らくわざとオープンにしたのでしょう。対策は出来る、使うなら使え。という感じでしょうか。
さて、次にPickです。
Pick順のわかるような書き方をしますが、分かりにくいかもしれません。恐らく動画を見るか、LOLのDraft Pick方式を知っている方ならばこの書き方の意図が伝わると思います。
C9 AHQ
P1 GP
P1 Braum
P2 Kalista
P2 Lee sin
P3 Morgana
P3 Darius
P4 Rengar
P4 Tristana
P5 Vaiger
P5 Fizz
さて、まずC9はオープンだったGPを確保。TOPレーンを先出しするのはソロQでは危険なことですよね。そもそも、GPはMidも可能なチャンプなので問題はないのですが、現在のプロシーンでは不利なマッチアップの場合はSwapしてしまうためTOPのカウンターは刺さりにくい、さらにAHQというチームの特徴を考えると、この地点でLast PickはMidでほぼ確定。C9はTOPを見てからGPがどちらにいくかを決められる状況に。
(特徴が要因となるのは、AHQがWestdoorに対面のカウンターをとらせたいと考えていると予想されるため)
続いてAHQ。GPがMidかTopかが確定出来ないため比較的カウンターの影響が少ないBOT DuoをPickします。KalistaとBraum、とても強力なタッグですね。
C9は次にLee SinとMorganaを選びます。MorganaはBraumに対して有効です。そしてJGのLee Sin、JGは比較的先に出しても問題がないことが多いですね。特に現在のプロシーンでは低レベル時に一人でJGを回ることがほぼないですのでJGにカウンターはほぼありません。
そして、既に敵のADCが見えているのですがADCはPickしませんでしたね。
JGを見てからPickしたかった、ADCを見てからJGをPickさせたくなかったからだと思います。
上述のようにLast PickはMidだと予想した上での考えです。
再びAHQのPickに帰ってきました。こちらは噂のDarius。
やはりLast PickはWestdoor。
そしてRengarをPick。RengarはGank力目当てでしょうか。よくPickされるGank力のあるチャンプがBANされてはいますが何故この時点でRengarなのでしょう。
そして最後のC9側Pick。
ADCのTristanaとMIDのVeigarここで観客や解説が盛り上がりましたね。メタに捕らわれない面白いPickです。VeigarはスタックをしっかりためるためTP/Flashというサモナースペルです。
TristanaはVeigarにあわせてLate game思考、そしてGank耐性や自衛力の大変高いチャンプですね。
ここでAHQはMIDにGPはないとやっと確信が持てる。
注目のWestdoor。彼はVeigarをカウンター出来、自らの得意チャンプでもあるFizzをPick。
これでAHQは2アサシンです。このC9のプロテクト構成をみて1アサシンだと無理だと判断したのでしょうか。
以上でB/Pが終了します。
さて、改めて両チームの構成の意図を考察してみましょう。
C9は2 Late carryを守る、そして強力なゾーンを作れる構成です。印象としてかなり後ろ寄りなチームです。
ゾーンコントロールとしてはGPの樽爆弾、ULT、MorganaのULTなどですね。これらがあると敵は不用意に飛び込んでくることが出来ません。
加えて、Lee、TrisのULTなどDisengage力はかなり高い構成です。
飛び込んでくるアサシン達からCarryを守るのは容易ですね。
しかし、一方でEngage力は低いように見えます。優位を取れたときなど、どのようにEngageするかが課題となります。
そして、GPはPassiveやPush力があるため序盤に差を多少つけられてもKillを取られDariusをSnowballさせるようなことがなければ中盤以降で巻き返すことが可能でしょう。
主な作戦としてはGPのULTやLeeでVeigarを守る。そしてVeigarはきちんとスタックを貯めていく。Trisを選んだの一因はLeeがMidのフォローに徹するためでしょう。
AHQは2アサシンと、かなりレーン重視、攻撃的な構成になりました。
そして、2アサシンにより集団戦においてC9のプロテクトを越えていこうという発想で、2 carryのうちどちらかを落とせればそのままなし崩し的にいけるという判断だと思います。
CCの数で劣りますがC9側のEngage力を考えると充分でしょう。
そして、BraumがMorganaを苦手としているところ以外レーンでは不利になることはまずないので、Killを起こせるチャンスは十分あります。
作戦としては、WestdoorのFizzとRengarでVeigarを潰し、Roamで他レーンでも優位を気付けSnowballする。
Fizzが上手くいけばBotに流れることが出来、ADCはKalistaですのでチームの集団戦での強さが底上げできます。
課題はRengarやFizzの集団戦での動きが難しくなるところです。しかし、BraumのULTやKalistaのULTでノックアップがあるためそれを契機に二人+Dariusが荒らし、Carryを一人落とす、その間にKalistaがダメを出していく。のが理想でしょう。
C9側はかなり後ろに重心があるので迂闊な動きをしない限りはBraumもいますし、Kalistaが始めにボコボコにされる心配はあまりないですし、C9にはフルTankが居ません。注意すべきはLeeやMorgana、GPのULTくらいです。
結果的にC9が耐えるか、AHQがぶち壊すか。とても単純で分かりやすい構成になりました。
Veigarという選択肢について。
誰も予想していなかったと思います。しかし、スタックのファームを阻害する強力なJGにVeigarのカウンターとなるRyzeをBANしているのでC9ははじめからVeigarを使うことを予定していたのではないでしょうか。そう考えるとB/Pの進め方はより高度に仕組まれたものに思えてきます。
まず、Dariusに対してのVeigar。Dariusは徒歩でしかこちらに近付けません。そうなると彼のスタンによって近づくことが出来なくなります。集団戦でDariusを隔離できれば非常に優位が取れます。
次にKalistaに対して。Kalistaはチャンプの性質上AAをするとぴょんぴょん移動します。つまり、Veigarのスタンは普通のADCよりも脅威となるのでは無いでしょうか。
さて、いい加減に試合にいけよ。と怒られそうなのでB/Pに対する考察は以上で終わりにしたいと思います。
大変面白いPickの試合であったためとても長くなってしまいました。なので、試合本編は別記事にさせていただこうと思います。またすぐに試合本編の方の記事も投稿します。
はじめてのちゃんとした記事で長々と書いてしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
試合本編考察(まだ)へ続く。
選手紹介は時間が出来たときにゆっくりと書いて行きます。
さて、そもそもなんでSummer splitで不調だったチームがWCSに出場出来ているか。
夏の間は不調だったのですが、春に稼いでいたポイントでWCSへの出場をかけたトーナメントへ参戦する機会を得ました。そしてそのトーナメントを怒濤の勢いで駆け上がりWCSへの切符を手にします。その模様は既に素晴らしい記事を書いて居られる方がいらっしゃいますのでその方の記事を見ていただくとよくわかると思います。3部構成ですがPart 1のリンクのみ貼らせていただきます。
リンク
↓
C9がNA LCS Summer Regionalsで起こした奇跡
(ご本人の許可を得てリンクを繋いでいます。)
次に今回のWCSの仕組みを簡単に。
WCSはGroup StageとKnockout Stageに別れています。Group StageにてそれぞれのGroupで1位と2位となったチームがKnockout Stageへ進むことができます。Knockout Stageに関してはまたその時にお話しします。
Group Stageは各チームBO1を二回ずつ戦う総当たり戦となっていて勝ち数が多い上位2チームが次のステージに進みます。
Cloud9の居るGroup Bには
Fnatic…EU No.1 チーム
Invictus Gaming…中国LPLのNo.3チーム
ahq e-Sports Club…台湾No.1チーム
Cloud9…NA No.3 チーム
(No.は分かりやすくするためつけたもので今回のWCSにおける出場枠をもって順位付けしたものでSplit自体での順位とは関係ありません。)
そんなGroup Stage、C9の第一戦は台湾のAHQとの戦いとなりました。
AHQは上でも述べたよう台湾のNo1チームで、MSIという春シーズン後の各リーグのNo1チームを決める大会にも出場し3-4位という結果を残しています。
チームの特徴としてはMidのWestdoorを軸として戦うチームでチームWestdoorといっても過言ではないかもしれません。
まず、B/Pを見ていきましょう。
動画はYouTubeのLOL Esports TVさんのものを埋め込みで使用させて頂きます。
動画7:00~(動画の時間指定しています。スマホの方は再生ボタンでなく動画タイトルをクリックしてアプリからご視聴ください。再生ボタンをクリックしてのスマホの動画再生機能からだと時間指定が作動しません。)
BANはそれぞれ
C9 AHQ
B1 Ryze Azir
B2 Elise Morde
B3 Rek'sai Lulu
となりました。
C9側は強力なGankとMapコントロール力をもつRek'sai、高いタワーダイブ力とスタンが当たればGankを確実に決められるEliseのJG2体とRyzeをBAN。Ryzeは対象指定CCを嫌ってでしょうか(Veigarのカウンターとなることも大きな要因でしょう)。
一方でAHQ側はAzir Luluという集団戦に強いMID2体、そしてOPなMordeをBANしました。
絶対BANのGPはC9が1st Pickで取り、使うためにオープン。
Kalista、Dariusなどは恐らくわざとオープンにしたのでしょう。対策は出来る、使うなら使え。という感じでしょうか。
さて、次にPickです。
Pick順のわかるような書き方をしますが、分かりにくいかもしれません。恐らく動画を見るか、LOLのDraft Pick方式を知っている方ならばこの書き方の意図が伝わると思います。
C9 AHQ
P1 GP
P1 Braum
P2 Kalista
P2 Lee sin
P3 Morgana
P3 Darius
P4 Rengar
P4 Tristana
P5 Vaiger
P5 Fizz
さて、まずC9はオープンだったGPを確保。TOPレーンを先出しするのはソロQでは危険なことですよね。そもそも、GPはMidも可能なチャンプなので問題はないのですが、現在のプロシーンでは不利なマッチアップの場合はSwapしてしまうためTOPのカウンターは刺さりにくい、さらにAHQというチームの特徴を考えると、この地点でLast PickはMidでほぼ確定。C9はTOPを見てからGPがどちらにいくかを決められる状況に。
(特徴が要因となるのは、AHQがWestdoorに対面のカウンターをとらせたいと考えていると予想されるため)
続いてAHQ。GPがMidかTopかが確定出来ないため比較的カウンターの影響が少ないBOT DuoをPickします。KalistaとBraum、とても強力なタッグですね。
C9は次にLee SinとMorganaを選びます。MorganaはBraumに対して有効です。そしてJGのLee Sin、JGは比較的先に出しても問題がないことが多いですね。特に現在のプロシーンでは低レベル時に一人でJGを回ることがほぼないですのでJGにカウンターはほぼありません。
そして、既に敵のADCが見えているのですがADCはPickしませんでしたね。
JGを見てからPickしたかった、ADCを見てからJGをPickさせたくなかったからだと思います。
上述のようにLast PickはMidだと予想した上での考えです。
再びAHQのPickに帰ってきました。こちらは噂のDarius。
やはりLast PickはWestdoor。
そしてRengarをPick。RengarはGank力目当てでしょうか。よくPickされるGank力のあるチャンプがBANされてはいますが何故この時点でRengarなのでしょう。
そして最後のC9側Pick。
ADCのTristanaとMIDのVeigarここで観客や解説が盛り上がりましたね。メタに捕らわれない面白いPickです。VeigarはスタックをしっかりためるためTP/Flashというサモナースペルです。
TristanaはVeigarにあわせてLate game思考、そしてGank耐性や自衛力の大変高いチャンプですね。
ここでAHQはMIDにGPはないとやっと確信が持てる。
注目のWestdoor。彼はVeigarをカウンター出来、自らの得意チャンプでもあるFizzをPick。
これでAHQは2アサシンです。このC9のプロテクト構成をみて1アサシンだと無理だと判断したのでしょうか。
以上でB/Pが終了します。
さて、改めて両チームの構成の意図を考察してみましょう。
C9は2 Late carryを守る、そして強力なゾーンを作れる構成です。印象としてかなり後ろ寄りなチームです。
ゾーンコントロールとしてはGPの樽爆弾、ULT、MorganaのULTなどですね。これらがあると敵は不用意に飛び込んでくることが出来ません。
加えて、Lee、TrisのULTなどDisengage力はかなり高い構成です。
飛び込んでくるアサシン達からCarryを守るのは容易ですね。
しかし、一方でEngage力は低いように見えます。優位を取れたときなど、どのようにEngageするかが課題となります。
そして、GPはPassiveやPush力があるため序盤に差を多少つけられてもKillを取られDariusをSnowballさせるようなことがなければ中盤以降で巻き返すことが可能でしょう。
主な作戦としてはGPのULTやLeeでVeigarを守る。そしてVeigarはきちんとスタックを貯めていく。Trisを選んだの一因はLeeがMidのフォローに徹するためでしょう。
AHQは2アサシンと、かなりレーン重視、攻撃的な構成になりました。
そして、2アサシンにより集団戦においてC9のプロテクトを越えていこうという発想で、2 carryのうちどちらかを落とせればそのままなし崩し的にいけるという判断だと思います。
CCの数で劣りますがC9側のEngage力を考えると充分でしょう。
そして、BraumがMorganaを苦手としているところ以外レーンでは不利になることはまずないので、Killを起こせるチャンスは十分あります。
作戦としては、WestdoorのFizzとRengarでVeigarを潰し、Roamで他レーンでも優位を気付けSnowballする。
Fizzが上手くいけばBotに流れることが出来、ADCはKalistaですのでチームの集団戦での強さが底上げできます。
課題はRengarやFizzの集団戦での動きが難しくなるところです。しかし、BraumのULTやKalistaのULTでノックアップがあるためそれを契機に二人+Dariusが荒らし、Carryを一人落とす、その間にKalistaがダメを出していく。のが理想でしょう。
C9側はかなり後ろに重心があるので迂闊な動きをしない限りはBraumもいますし、Kalistaが始めにボコボコにされる心配はあまりないですし、C9にはフルTankが居ません。注意すべきはLeeやMorgana、GPのULTくらいです。
結果的にC9が耐えるか、AHQがぶち壊すか。とても単純で分かりやすい構成になりました。
Veigarという選択肢について。
誰も予想していなかったと思います。しかし、スタックのファームを阻害する強力なJGにVeigarのカウンターとなるRyzeをBANしているのでC9ははじめからVeigarを使うことを予定していたのではないでしょうか。そう考えるとB/Pの進め方はより高度に仕組まれたものに思えてきます。
まず、Dariusに対してのVeigar。Dariusは徒歩でしかこちらに近付けません。そうなると彼のスタンによって近づくことが出来なくなります。集団戦でDariusを隔離できれば非常に優位が取れます。
次にKalistaに対して。Kalistaはチャンプの性質上AAをするとぴょんぴょん移動します。つまり、Veigarのスタンは普通のADCよりも脅威となるのでは無いでしょうか。
さて、いい加減に試合にいけよ。と怒られそうなのでB/Pに対する考察は以上で終わりにしたいと思います。
大変面白いPickの試合であったためとても長くなってしまいました。なので、試合本編は別記事にさせていただこうと思います。またすぐに試合本編の方の記事も投稿します。
はじめてのちゃんとした記事で長々と書いてしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
試合本編考察(まだ)へ続く。
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